睡眠と健康の関係の3つのパターン

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睡眠と健康の関係の3つのパターン


薬剤師として毎日患者さんと向き合って話をしていると、睡眠についての悩みを数多く聞きます。その中でも多くの患者さんから相談される内容を3つとりあげました。

6時間以上睡眠をとっても次の日起きた時にすっきりと起きられない。
また50歳を過ぎてくると4~5時間経つと目が覚めてしまう・・・そして眠れなくなる。
そしてなんとなく布団の中でスマホを見ていて、いつの間にか夜の0時を過ぎていた・・・なんていう若い世代からの相談です。

今日は睡眠と健康の関係について、健康になれない睡眠の3つのパターンを考えてみたいと思います。

  • 十分な睡眠時間がとれているが、寝起きがすっきりしない
  • なかなか寝られなく(寝つきが悪く)睡眠時間が確保出来ない
  • 寝つきは良いのだが、夜中に起きてしまう

この3つのパターンに当てはまる方は睡眠が障害となって健康が維持できていない、ということになります。
では3つのパターンの原因と対策を考えてみましょう。
この記事を読み終わるころには、あなたも快適な睡眠が出来るようになり、健康的な生活の第1歩を踏み出すことが出来るようになるでしょう。

十分な睡眠時間がとれているが、寝起きがすっきりしない


3つの主な原因

  • ・寝る前にお酒を飲んだり、何かを食べたりしている
  • ・生活リズムが不規則で毎日寝る時間がバラバラ
  • ・エアコンをつけっぱなしで寝ている

寝る前にお酒を飲んだり、何かを食べたりしている

寝る前にお酒を飲むとよく眠れるという人もいます。確かに少量のお酒は気持ちをリラックスさせる効果があるため寝つきを良くする効果があるかも知れません。
しかし、アルコールの量が多くなってくると寝ている間に私たちの肝臓はアルコールを分解するために全力で働きます。また寝る前に食事をしてしまった時も胃の中の食物を分解して吸収しようと寝ている間も内臓がフルに働くことになってしまいます。
またアルコールは肝臓で分解されてアルデヒドという物質になるのですが、アルデヒドが覚醒作用を持つため、目が覚めやすくなってしまいます。
そして、アルコールは利尿作用もありますので、トイレに行きたくなって目が覚めてしまい、良質な睡眠がとれなくなってしまします。
これが朝起きた時に体がすっきりしない原因の一つになります。脳は休んでいても体が寝ている間も働いていたら疲れが取れないのは当たり前ですよね。
また多量のアルコールは体の筋肉を弛緩させます。酔っぱらった時に足腰に力が入らなく立てなくなってしまうのも筋肉が緩んで力が入らなくなるからです。
そしてアルコールは喉の気管支という筋肉も弛緩させます。気管支の筋肉に力が入らなくなると、通常は丸い(〇)気管支がつぶれて楕円形になってつぶれてしまいます。気管支がつぶれることによっていびきをかくようになりますが、さらにつぶれると「無呼吸症候群」という病気になります。
「無呼吸症候群は」は寝ている間に呼吸が止まってしまうという病気です。みなさんもテレビなどで見たことがあると思いますが、重症になると1分近く呼吸が止まってしまいます。
これが寝ている間に何度も起きるわけですから、朝起きた時にすっきりと起きられないのはあたりまえですよね。
対策としては仰向けに寝ないで、横向きに寝るという方法があります。気管支は首の前後につぶれやすいので、仰向けに寝ると気管支がつぶれやすくなってしまいます。横向きに寝ることで気管支がつぶれにくくなるからです。

解決方法

  1. 寝る前に多量のアルコールを飲まない(少量はOK)
  2. 寝る前の4時間は食べ物を食べない
  3. 無呼吸症候群の可能性のある場合は仰向けでなく横を向いて寝る

生活リズムが不規則で毎日寝る時間がバラバラ

生活のリズムが不規則で毎日寝る時間がバラバラな人も良質な睡眠が得られなくなります。
今日は仕事が早く終わったから早く寝ようと思って22時ごろ布団に入ったものの朝4時頃に目が覚めてしまい、その後眠れないまま起きる時間になってしまう。しかし仕事で遅くなってしまい寝る時間が深夜1時頃になってしまい睡眠不足のまま次の日仕事に出かける、などを繰り返していると「睡眠慣性」という状態になってしまいます。
「睡眠慣性」とはどういう状態かと言うと、寝ている間には眠り初めの時の睡眠を良くする成長ホルモンと眠りの終わり際を良くするコルチゾールという2つのホルモンが分泌されます。
この2つのホルモンの分泌のバランスが崩れることによって起きる状態が「睡眠慣性」になります。
では「睡眠慣性」を正すにはどうしたら良いのでしょうか?
それは規則正しい生活をすることです。毎日同じ時間に床に就き、同じ時間に起きる。これが「睡眠惰性」の状態から抜け出す方法になります。出来る限り規則正しい生活をするようにしましょう。
しかし社会人には残業や飲み会など色々な要因があり、規則正しい生活が出来ない状況があります。残業が多いかたは今一度自分の仕事のスタイルを見直してはいかがでしょうか。
自分はマコなり社長のYoutubeを見て色々と気づかされることが多くありました。みなさんも一度マコなり社長のyoutubeをご覧になってみて下さい。きっと色々な気づきがあると思いますよ。
話がそれてしまいましたが、生活のリズムを整えるということは決して不可能ではないと思いますので、現状不規則な生活をしている人は、今一度自分の生活スタイルを見直してみてはいかがでしょうか。

解決方法

  1. 毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きるように心がける
  2. もう一度自分の生活スタイルを見直してみる
  3. マコなり社長のYoutubeを試しに見てみる

エアコンをつけっぱなしで寝ている

エアコンをつけっぱなしで寝ている、ことは何がわるいのでしょうか。
夏の猛暑の日にエアコンをつけっぱなしで寝ることは悪いことではありません。熱中症の対策になりますので。
時にご高齢の方は脱水症状になっても症状がなく、そのままお亡くなりになってしまう方が毎年ニュースで報じられます。
しかし猛暑日以外にエアコンをつけっぱなしで寝ることはお勧め出来ません。

夏の時期にエアコンをつけて寝る場合の注意点

エアコンを一晩中つけていると次の日の朝起きた時に体がだるく感じます。体の中心の体温と体の表面の体温の温度差が大きいほど寝起きがすっきりせず、温度差が小さいほどすっきりと朝起きられることが分かっています。朝方気温が下がった時に、エアコンがついていると必要以上に体の表面の体温が下がってしまうのが原因です。
しかし猛暑の日は暑いと睡眠自体の質が悪くなってしまいますので、最初の3時間の睡眠は涼しい所でしっかりと体と脳を休めた方がいいです。
なので布団に入ってから3~4時間はタイマーでエアコンをつけておいた方が良いでしょう。朝方エアコンが切れるようにタイマーをセットしておけば、朝起きる時もすっきりと起きられるはずです。

冬の時期にエアコンをつけて寝る場合の注意点

夏とは逆に冬に暖房をつけて部屋を暖めることはメリットのほうが沢山あります。
抹消神経が冷えないので快適な睡眠が得られる。朝方冷え込んで部屋の温度が10℃以下になると交感神経が高まってしまい眠りが浅くなったり、手足の先の末梢血管が収縮して冷え性の原因になったりします。
デメリットは部屋が乾燥してしまうことです。部屋が乾燥することによって空気中のウイルスがいつもより長くフワフワと部屋の中を漂うようになります。そして口の中や鼻の中も乾燥するため、ウイルスがくっつきやすくなり、風邪などにかかる確率が高まります。
このデメリットは加湿器をつけることで解消されます。一人暮らしでワンルームなどに住んでいる方は部屋に洗濯ものを干しても乾燥を防げます。
また寝る時にエアコンを1時間ほどタイマーをつけておき、朝起きる30分前にタイマーでエアコンをつけておくという対策もありです。

解決方法

  1. 夏のエアコンは寝る前に3~4時間タイマーをつけてから寝る
  2. 冬のエアコンはつけっぱなしで寝ても構わないが加湿器などで乾燥対策をする
  3. 冬のエアコンは寝る時1時間のタイマー、起きる前30分のタイマーでも可

なかなか寝られなく(寝つきが悪く)睡眠時間が確保出来ない


入眠障害と言われる症状です。
3つの主な原因

  1. 布団に入ってからもスマホを見ている
  2. 夜にカフェインを摂っている
  3. 悩みがある

布団に入ってからもスマホを見ている

原因としてはこれが一番多いのではないでしょうか。
寝ながらだらだらとyoutubeやSNSを見たり、スマホゲームをやっているうちに、ついつい30分や1時間位経ってしまっている。
誰にでもある経験だと思います。
解決策は簡単です!
布団に入ったらスマホを見るのは止めましょう。睡眠時間が確保できないと次の日の仕事や授業のパフォーマンスが上がらなく効率が悪くなってしまいます。

夜にカフェインを摂っている

最近はカフェインレスのお茶や麦茶が販売されるようになってきたので、あまり原因にはならないかも知れませんが、コーヒーや紅茶、また自分の年代だと急須でお茶を入れたりしますので、知らないうちにカフェインを摂ってしまいます。
これも解決策は簡単で、カフェインレスのお茶や麦茶を飲めば解決です。夜どうしてもコーヒーが飲みたい人は20時頃までに飲めばまあ、何とか24時には眠れるのではないでしょうか。

悩みがある

悩みは人間につきものです。性格にもよると思いますが、悩んで眠れなくなる人もいれば、全く悩まずすやすやと眠れる人もいます。
自分の性格を変えることは難しいかも知れませんが、「嫌われる勇気」というアドラー心理学の本があります。一度この本を読んでみはいかがでしょうか。
自分はこの本を読んで気づかされたのは悩みのほとんどは「人間関係」ということでした。
確かに思い返してみれば、今までの悩みはほとんどが人間関係によるものでした。
よく悩んでいて眠れないという人は是非読んでみて下さい。

解決方法

  1. 布団に入ったらスマホは見ない
  2. 夜に飲むのはカフェインレスの飲み物にする
  3. 「嫌われる勇気」を読んでみる

上記を試してみても改善されない方へ
1か月以上寝つきが悪い状態が続くようであればクリニックの受診をお勧めします。
最初から心療内科は抵抗があると思いますので、近所の内科の先生に相談してみてはいかかでしょう。
薬を処方してくれると思いますよ。

寝つきは良いのだが、夜中に起きてしまう


中途覚醒と言われる症状です
主な原因は4つあります

  1. うつ状態(うつ病)
  2. 加齢による頻尿
  3. ストレスによるもの
  4. 無呼吸症候群

うつ状態(うつ病)

うつ病にかかっている人やうつ状態の人は中途覚醒で夜中に目が覚めやすいとされています。
これはレム睡眠(夢を見ている状態の浅い睡眠)の時間が多くなり、ノンレム睡眠(体を修復すための深い睡眠)を繰り返しています。1クール90分と言われています。
うつ病の方はレム睡眠の時間が長くなり、ノンレム睡眠の時間が短くなってしまいます。
浅い眠りの状態の時間が長くなるという事で、寝ている時に起きやすくなってしまいます。
これは余談ですが、うつ病の人はレム睡眠とノンレム睡眠の感覚が90分より短くなることが知られています。
そうすると90分を4クールで6時間の睡眠になるのですが、うつ病の人は4クール寝ても4時間しか経ってなかったとすれば健康な人よりも2時間早く目が覚めてしまいます。この症状を「早朝覚醒」と言います。
解決方法は心療内科を受診することです。
うつ病はほおっておいても治りません。現在は薬を飲むことで健康な状態に戻していくことも可能ですので、気になったら早目の受診を心掛けましょう。
心療内科の敷居が高く感じる方は、最初は内科の先生に相談しても良いかも知れません。必要な時には心療内科を紹介されますが、最初から心療内科に行くよりはハードルが低くなると思います。

加齢による頻尿

年を取ってくると、膀胱の筋肉が衰えたり、男性は前立腺が腫れてきて尿道が細くなったりして、一度に膀胱の中のおしっこを全部出せなくなります。
そうすると寝る前にトイレに行ってから布団に入っても、残っていたおしっこで尿意が起こり、睡眠途中で目が覚めてしまう、ということになります。
頻尿や過活動膀胱とい状態でりっぱな病気です。まよわず受診しましょう。
また高齢になってくると体力が落ちて長時間眠れなくなります。10台の頃は10時間位平気で眠れたのに、50代になったら5時間で勝手に目が覚めるようになった。
という経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。睡眠時間は人それぞれで次の日の日中に眠くならなければ5時間しか寝なくても何も問題はありません。
また高齢になると早い時間に寝てしまう患者さんもたまにいます。「朝の4時に目が覚めちゃって、その後眠れないんだよね~」という相談を患者さんからたまに受けますが「何時に寝てるんですか?」と聞くと「20時には寝てる」という感じで答えが返ってきます。そりゃ8時間も寝れば眠れなくなりますよね。
そんな患者さんには「あと2時間遅く布団に入れば朝まで眠れますよ」とアドバイスをしています。

ストレスによるもの

ハードな仕事を長期間続けていたり、人間関係の悪化などで体にストレスが溜まると夜中に起きてしまうことがあります。
ストレスが溜まるとどうなるか?
人間の脳には覚醒中枢というものがあって寝ている間に地震や火事があったときに、起きて逃げれるように寝ている間も人間を起こそうと見張っています。
ストレスが原因でこの覚醒中枢が過剰に反応してしまい、何もないのに夜中に目が覚めてしまう、といった状態になってしまいます。
解決方法はストレスを緩和するしかないのですが、仕事等の場合はストレスから逃げることは難しいと思います。
そんな時は、出来るだけストレスを発散するようにしましょう。
簡単な方法としては軽い運動をする。温めのお風呂に入り湯船に浸かる。などがあります。
少しストレスが緩和されてきて余裕が出てきたらアロマオイルなどを湯船に入れたり、枕元に置いても良いかと思います。

無呼吸症候群

前述しているので略します。

解決方法のまとめ

さて、色々と説明して来ましたが若いころは特に気にせず眠れていた人が多いと思います。しかし加齢によって年を取ってくると様々な原因で睡眠障害が起こりだすことが分かってもらえたと思います。
しかし睡眠障害で眠れなくても日常生活に問題がなければ特に気にする必要はありません。

睡眠対策まとめ

  1. 規則正しい生活をする
  2. 寝る前4時間内は食べない・多量のアルコール、カフェインを摂らない
  3. 仰向けでなく、横向きに寝る
  4. エアコンのON、OFFはタイマーを活用、暖房時は加湿器もセットで
  5. 布団に入ったらスマホは封印
  6. 体調が悪い時は我慢せずにクリニックを受診する
  7. 軽い運動や入浴でストレス発散

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